営業ができる人の特徴についての6選
今回は、「できる営業」について考えていきます。
私は10年以上営業をやってきました。
自分が営業として優秀だったかどうかは別として、どのような営業を理想にしていたか、というお話です。
なるべくモレ・ダブりがないよう6選という形で紹介します。
営業に限らず、ものごとへの取り組み方という面でもお役に立つ情報となっていると思います。
ぜひ最後まで読んでみて下さい。
1.短期志向、ではなく長期志向
1つ目は、短期志向ではなく長期志向という点です。
これは、対顧客もそうですし、対自分についてもです。
対顧客については、短期的な目標に捉われ、一時的な成果のために必要のないモノ・サービスを販売することです。
例えば、「~キャンペーン」と称して、自社都合で押し売り販売をするようなイメージです。
他にもその場しのぎの対応をし、長期的な課題解決方法を提示しないことです。
根本治療が必要なのに、その場しのぎの処方をするイメージですね。
これらの対応では、短期的に成果が出ても、信頼が失われ長期的な利益には繋がりません。
できる営業は、根本的な課題解決方法を提示し、必要なものを必要なタイミングで提供します。
長期志向でありながら、信頼が増加することで常に仕事がくるようになり、短期的にも成果を上げ続けることができます。
そして、自分に対しても短期志向ではなく長期志向で考えます。
例えば、短期志向の場合は、会社に与えられた目標をそのまま鵜呑みにし、言われたことをひたすらやります。
できる営業は、「与えられた目標」を本当に必要かどうか自分で判断し、不要ならやりません。
自分の軸をしっかり持ち、やるべきことをやり続けます。
自分の話をすると、私は会社員時代に会社が一丸となって「年金口座」を追いかけていた時に、ほとんどやりませんでした。
理由は、①特別なスキルが身に付く気がしなかったから、②誰でもできる仕事だから、③年金口座獲得=会社の利益向上の方程式が成り立たない、根拠となる数字に一切信憑性がなかったから、④自社都合の押し付けだから、です。
簡単に言うと時間の無駄だと思ったからです。
ただ、その仕事をやらず、融資の仕事ばかりをやり、結果として営業の点数を示す評価点数はもの凄く低かったです。
年金獲得1件が5,000万円の住宅ローンや、法人の融資新規1件と同じだったので。
一方で、成長期にこの仕事ばかりやらされていた人は、大きくスキルアップすることもできず、そういう人が多くいたため結果的に大量の機会損失が発生したと思ってます。
成長機会の損失ですね。
仮に100人の営業が、かわいそうなことにその仕事に1年間縛られたら、100年分の成長機会の損失が発生します。
ただ、組織の中においては、私の方が「できない営業」になりますね。これは後でふれます。
2.話す、ではなく聴く
最近はそうでもなくなってきましたが、いまだに「コミュニケーション能力=話す力」だと思っている方もいます。
トーク力があることはいいことです。
ただ、「トーク力=ひたすら話す能力」と勘違いし、最終的に「コミュニケーション能力=ひたすら話す能力」と脳内変換されてしまうと一生「できる営業」にはなれません。
「コミュニケーション能力=聴く能力」です。
相手から聴きたいことを引き出すのがトーク力です。
相手が話してくれている状態が、信頼されている状態です。
その話の内容も、世間話ではなく、「課題」につながる内容です。
もし、「自分は口下手だから営業ができない」と思っている人は、営業ができない原因を口下手とすることで、営業をしないという目的のための言い訳にしているだけです。
一方、「自分はひたすら話し続けられるコミュニケーション能力の鬼だ」と思っている人も危険です。
私はそういう人が本当に苦手なので。
自分にしか興味がなく、うんざりしていることを示しても気付いてくれないんですよね。
「できる営業」は聴く能力ありきです。
その上に、更に話す能力、例えば分かりやすいプレゼン能力などがあれば成果は伸びると思いますが、まず聴くことですね。
3.スケジュールに余裕がある
次はスケジュールに余裕がある、です。
この話題は以前にも触れました。
結局、忙しい人に仕事は来ません。
実際に忙しい時でも、いつなら大丈夫か、などすぐに切り返し対応できる人が、できる営業ですね。
なぜ忙しい人に仕事がこないのか、顧客側の立場になると、
①自分は優先度が低いから、忙しい=あなたに構う時間がない、②単純に仕事が遅い人、③仕事をしたくない人、と思います。
実際にそうでなければ、代替案を示すからです。
例えばですが、「石原さとみ」(でも誰でもいいですが)に食事に誘われたら、全てのスケジュールを見直し、完全に調整して、絶対に行きますよね。
どうしても無理なら無理な理由を伝えて、何とか考え得る代替案をひたすら並べて、食い下がりますよね。
実際にスケジュールなんてどうにでもなります。
それを努力もせずに、忙しいと片づける人には仕事は来ないです。
4.やらないこと、できないことをはっきりさせる
次は、「やらないこと、できないこと、をはっきりさせる」です。
これは、結論を早め、回転率を上げることにも繋がります。
できない営業は、判断を遅らせだらだらと引き延ばしてしまう傾向や、何度も交渉を重ねてしまう傾向あります。
最初の段階で、やらないこと・できないこと、をはっきりさせておけば、まず最初の「取引するかしないか」の判断が早くなり、取引すると決まれば、できることを一生懸命やればいいのです。
極力判断の回数を減らし効率化するために、まず最初にやっておくべきことですね。
これは、最初から「Win-Win or No Deal」を迫っているのと同じです。
5.テクニックに頼らない、信頼を得る
できる営業は、特にテクニックなど利用しません。
セールストークなどのテクニックですね。
余談ですが、私はセールスの研修のロールプレイングが本当に嫌いでした。
あれ、何の役にも立たないですよね。
演劇部でもないのに演技の練習をさせられて、本当に嫌でした。
結局成果を出す一番の近道は、「信頼を得る」ことです。
信頼を得られていないのに、テクニックを使い小手先のセールストークを使ってると、薄さが見抜かれてしまいます。
信頼については、「7つの習慣」の要約記事で書いた「信頼口座」の話が分かりやすいです。
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信頼口座の話は後編に書いてあります
何事も、信頼関係の構築ができていなければだめです。
逆に言えば、信頼関係の構築さえできていれば、大半のことはできます。
真正面から、不器用でも、真剣に話せば伝わります。
当然、そのことで信頼口座の残高が大きく減少することも考えられますが。
最も時間を使うべきは、「信頼関係の構築」です。
6.自分の強みを理解している
最後は、自分の強みを理解していることです。
その強みを徹底的に伸ばしていきましょう。
駄目なのは、自分と全く違うタイプの人を理想像として掲げ、その人みたいになろうと思うことです。
例えば、私は「長期的な視野で目標を立てて、短期的にもある程度の結果を出しながら、効率的に活動できる」ことができました。
また、お客様からも一定の信頼を得られてました。その方法は単純、嘘を付かないことです。
ただ、どうしてもできないこともありました。それが「コツコツ、さぼらず、努力をすること」です。
効率的に活動したい理由は、短い時間で結果を出し、余った時間を好きに使いたいからです。
私の目標は「半年間のうち、真剣に働くのは2か月くらいで、かつ誰にも文句の言われない成果を上げる」ことでした。
世の中には、「コツコツ、さぼらず、努力をする」ことができる人がたくさんいますよね。
それだけで、強みです。
結局、これまでの①~⑤で述べてきたことに注意しながら、自分の強みを伸ばし続けていけば、オンリーワンの営業になれると思います。
自分の強みを理解しましょう。
7.おまけ
①~⑥までを理解し、やっていても、営業の成果が出ないという方。
それは、仕組みに問題があります。
つまり、評価の仕組みです。
たとえば、私が年金を一切やらずにものすごい低い点数だった時です。
これは言い訳ではなく、仕組みの方が悪かったと思ってます。
この数年後、自分のスタンスは一切変えず、評価が融資偏重になっていき、私は表彰される側に回りました。
この「仕組みを疑う」という視点は常に持っていた方が良いです。
軸は自分でよいと思います。
どっちが正しい、正しくないではなく、自分の価値観に合っているか合っていないかです。
この「信念・軸を持ち、仕組みを疑う」という視点も非常に重要です。
8.まとめ
以上の6つになります。
そして、仕組みを疑う、という話をしました。
私がこうだった、という話ではなく、理想としていた理想像です。
営業だけに限らず、普段の人間関係にも応用できるので、ぜひ参考にして下さい。
ちなみに私は、「共感、傾聴」ということが分かっていてもなかなかできません(笑)