中小企業診断士一次試験 企業経営理論について

 今回は、中小企業診断士試験の一次試験7科目のうちの1つ「企業経営理論」について、勉強のコツも含め解説していきます。

 中小企業診断士試験に関する関連記事は以下を参照してください。

1.科目の概要について

 まず、企業経営理論90分の試験です。

 90分と60分の試験の大きな違いは、1問あたりの点数です。

 60分の試験は、大体が1問4点であるのに対し、90分の試験は1問が2~3点となっております。

 幅広い分野からの出題となる一方、1つの分野を切り捨てるリスクは小さいと言えます。

 例えば、労働関連法規から3問出題されても、10点にも満たないため、切り捨てるリスクは小さいと言えるのです。

 直前期になればなるほど、2次試験とは関連性の低い分野は思い切って切り捨てるという判断もできますね。

 次に、勉強時間のイメージですが、2次試験との関連性も高く、かつ「中小企業診断士試験」のメインとなる科目であるため、最も多くの時間を割きたい科目でもあります。

 もともとの前提知識にもよりますが、全勉強時間の2割以上はこの科目にあてていきたいです。

 最後に、難易度についてです。

 この科目合格率の推移はあまり参考にすることは少ないですが、あえて言えば難化・易化を予想できるくらいです。

 例えば、極端な易化の翌年は難化している傾向がみえるなくらいです。

 ここ2年は約20%で推移してますね。

 ちなみに、私はTACの問題集を使ってました。

 この科目は、個人的には社会人の必修科目としたいくらいです。

 正直、この科目のみを、単独で試験にすべきだと思ってます。

 それくらい、経営の基礎を学ぶには面白い科目です。

2.経営戦略

 この企業経営理論という科目は、大きく分けて3つのテーマを扱います。

 それが、「経営戦略」「組織論」「マーケティング」です。

 経営戦略では、自社の分析、他社の分析、環境の分析などのフレームワーク、戦略の方向性などについて学びます。

 最もコンサルタントらしい科目であり、楽しんで学習していけると思います。

 具体例を考えてみましょう。

 A社は、車を作ることを中心に事業を展開してます。

 5フォース分析で、競合や新規参入などの分析をしたり、

 SWOT分析で自社の強み・弱み、環境面の機会や脅威を分析し、

 自社の競争優位性のある経営資源VRIOのフレームワークで分析したりします。

 また、事業をPPMで見極めること、多角化を検討すること、その際に外部組織と連携するのか、M&Aをするのか、研究開発をしイノベーションを起こすのか、海外へ進出するのか、など色々な戦略を検討します。

 当然、企業の社会的責任(CSR)、ガバナンスなども考えます。

 このような流れが「経営戦略」を考える上での一連の流れになります。

 ストーリーを思い描きながら覚えていくと、覚えやすいと思います。

 

3.組織論

 次は組織論です。

 組織論では、主に組織マネジメントヒューマンリソースマネジメント(HRM)について学びます。

 組織マネジメントは、機能別組織事業別組織組織文化、官僚制(逆機能)などです。

 HRMは、モチベーション理論リーダーシップ論人事評価報酬能力開発、労働関連法規などを学びます。

 またA社で考えてみましょう。

 A社は事業部制を取り入れており、そのメリットとデメリットは何かなどを考えます。

 また、古い組織で、年功序列型の賃金制度を採用しているが、うまくいかないことが増えてます。

 組織文化をどのように変化させるか、そのためにはどのような評価システムを取り入れ、モチベーションをアップさせていくか、その際にどのような反発があるだろうか、などを考えなければなりません。

 もちろん、前提となる法律知識も必要です。

 今の組織内部の問題点を把握し、どのように変えていくべきか、とくに組織論ではメリット・デメリットの両方を考える場面が多く出てくるので、その両方をしっかり把握し、組織を変革させていかなければなりません。

 という、イメージですね。

 自分が所属している組織を思い浮かべながら学習すると理解が早まると思います。

 私はこの組織論を勉強していた時、デメリットに「あるある」とよくうなづいていたものです。

 

4.マーケティング

 最後はマーケティングです。

 マーケティングは、4P(4C)を中心に、消費者購買行動、ブランド、などについて学びます。

 常に4P(4C)・STPを頭に入れながら勉強をしていきましょう。

 2次でも超必須の知識です。

 

マーケティングの4P(4C)

  • Product(製品)⇔Customer Value(顧客価値)
  • Price(価格)⇔Cost(コスト)
  • Place(流通)⇔Convenience(利便性)
  • Promotion(広告)⇔Communication(コミュニケーション)

4Pは売り手目線、4Cは買い手目線

STP

  • Segmentation:セグメンテーション
  • Targeting:ターゲティング
  • Positioning:ポジショニング

 これらは、経営戦略でおこなう自社・競合他社・環境(3C)分析と関連させ、具体的に製品をどのように販売していくか、を検討していきます。

 A社を例に考えると、STP分析で、自社製品を販売する場所・ターゲットなどを決めます。

 そして、顧客に提供する価値、価格はいくらか、どのような広告を打つか、直接営業なのか、店舗販売をどのようにやっていくのか、などを考えます。

 そして何よりも最近重要性が高まっているのが、WEBマーケティングですね。

 ここも考えていかなければなりません。

 世の中に出回っている製品の中で、自分が好きなものを思い浮かべながら、学習すると理解が早まると思います。

 例えば、よく例に出されるのはスタバとドトールですね。

 同じコーヒーを販売している会社でも、STPは全然違います。

 提供している価値も違うので、値段も違います。

 スターバックスについては以下の記事で書いてます。ぜひ読んでみてください。

5.具体的に問題をみてみる

 以上が「経営戦略」「組織論」「マーケティング」の簡単なまとめになります。

 最後に問題の主題例を見てみましょう。

 

企業が競争優位を獲得するための競争戦略のひとつであるコスト・リーダーシップ戦略に関する記述として最も適切なものは何か。

ア コストリーダーシップ戦略では、継続的に自社製品を購入する顧客を確保するために、ブランド・ロイヤルティを高めることが課題となり、企業の提供する付加価値が明確になっている。

イ コスト・リーダーシップ戦略は、市場成長率が安定してきて、製品ライフサイクルの成熟期以降に採用する戦略として適しており、企業が脱成熟をしていくうえで有益な戦略となる。

ウ コスト・リーダーシップ戦略は、多角化した企業において、シナジーの創出によるコスト削減を目指していく戦略であるので、事業間の関連性が高い企業の方が優位性を得やすくなる。

エ コスト・リーダーシップ戦略を行う企業が、浸透価格政策をとると、自社の経験効果によるコスト低下のスピードは、競合他社よりもはやくなる。

オ コスト・リーダーシップ戦略を行っている企業は、特定モデルの専用工場を建設し、生産性の高い設備を導入しており、新しい市場ニーズへも迅速に対応できる。

平成28年度 第6問 より

 問題は、ポーターの競争戦略の1つコスト・リーダーシップ戦略についてです。

 コスト・リーダーシップ戦略とは?で答えられる問題ではないですよね。

 下線部に関する知識もないと、解けません。

 また、そもそも分かりにくい文章になってますよね。

 このような問題を約40問解いていきます。

 さすがに、「ポーターって誰?」「PPMってなに?」では話にならないですが、ある程度知識を得たらすぐに過去問を解いた方がよい理由がここにあります。

 問題の出され方に慣れていくことが最も大事です。

 ちなみに、答えは「エ」です。

6.まとめ

 「経営戦略」「組織論」「マーケティング」がどのようなものか、しっかりおさえておきましょう。

 ある程度の知識を得たらすぐに過去問に入りましょう。

 1問あたり2~3点であり、直前期には思い切って頻出でない項目は切っていきましょう。

 以上です。

 他の科目も順次更新していきます。

参考:YouTube動画

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