独学者必見『中小企業診断士』試験の概要と独学合格者が考えるリアルな難易度について②
前回の記事(→こちら)では中小企業診断士試験の概要を説明しました。
今回は1次試験の難易度及び私が実践した勉強法や使用した教材・勉強時間について、を執筆します。
ちなみに、YouTubeでも同じ内容の動画をあげてますので、もしよろしければ参考にして下さい(動画はブログの一番最後に埋め込んでます)。
中小企業診断士試験にご興味のある方は「まとめ記事」を参考にしてください
目次
1.1次試験の難易度について
1次試験の難易度についてですが、結論から言うと「易しい」と言える試験です。科目が多いため合格レベルに持っていくための必要勉強時間は多くなりますが、試験対策自体は容易であるためです。
決して誰でも簡単に合格できる、という意味ではありません。
生半可な姿勢で合格できる試験ではありません。
では、どれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか?一般的には、
- 経済学・経済政策…150時間
- 財務・会計…200時間
- 企業経営理論…200時間
- 運営管理…200時間
- 経営情報システム…100時間
- 経営法務…100時間
- 中小企業経営・政策…50時間
以上、計1,000時間というイメージです。これは、ネットで「中小企業診断士 勉強時間」で調べると出てくる平均的なイメージです。
では、本当にこんなに必要なのでしょうか?
まずはもともとの予備知識の量により、必要勉強時間は減少します。
IT業界の方は経営情報システムは半分以下の勉強で大丈夫ですし、銀行等の金融機関の方は財務・会計、企業経営理論、運営管理は予備知識があると思われ時間削減が可能です。
また、経済学部出身の方は経済学・経済政策の学習は頭に入りやすいでし、法律を勉強している人は経営法務はスラスラと入っていきます。
数学が得意・不得意でも変わってきます。
幅広い知識を問う分、必ず得意科目がそれぞれに出てきます。
よって、1次試験の勉強量は「人それぞれ」としか言えません。1,000時間という時間が精神的なハードルとなっている人は、一回どんな試験なのか、全ての科目に目を通してみることをお勧めします。
意外と十分な予備知識が備わっている可能性もありますよ。
例年極端に難易度が高い科目が混ざったりしますが、逆に易化する科目もあります。難化・易化に振り回されず合計で420点取れればよいのです。難化しすぎて平均点が大幅に低い場合は、得点調整もあります。
前回の記事でも触れたよう、もし1年で合格できなかった場合、60点以上であった科目は翌年受ける必要はありません(科目合格制度)。勉強時間を十分に確保できない人は、1年目で4科目狙い・2年目で合格、というパターンを初めから狙うのもありです。
注意が必要なのは、5科目・6科目受かっている場合です。この場合は、1科目に集中すればよいと考えてしまいますが、難化している年はいくら勉強をしても60点取れない、という可能性があります。
残り1科目・2科目という場合は、2次試験と関連のある科目も受験し、事故を起こす可能性を下げることが望ましいと思います。
以上が、1次試験の難易度に関してです。
要約すると、勉強時間さえ確保できれば、対策しやすく比較的易しいと言える試験です。「難関」と言われる理由は、受験者の大半が社会人であり勉強時間の確保が困難なためだと思います。
繰り返しになりますが、「試験対策」が容易であり、「時間」さえ確保できれば十分合格できるということです。
合格のためには強い意志・継続力が必須です。
では次は、私の実践した勉強方法と、それをもとにした効率的な勉強方法のご紹介です。
効率化により勉強時間の短縮を図ることは十分可能ですので、少しでも参考になればと思います。
2.1次試験の効率的な勉強方法 実体験編
私が実践した勉強方法について詳細に説明していきます。
まずは試験結果から(令和元年度試験)
- 経済学・経済政策…64点
- 財務・会計…60点
- 企業経営理論…62点
- 運営管理…82点
- 経営情報システム…56点
- 経営法務…56点
- 中小企業経営・政策…63点
計443点
勉強をした期間は令和元年5月28日~8月2日までの約2か月です。勉強時間は200時間くらいでした。
使用した教材は、スタディングという通信講座と、以下の問題集のみです。
何から手を付けてよいのか分からず、とりあえず通信講座を購入しました。そして、養成課程に進んでいた勤務先の後輩から問題集を貰いました。
勉強を始めた時期を見たら分かるように、1年目で受かるつもりはなく2年計画でした。「4科目くらい受かったらラッキー」という気持ちで始めました。
まず始めにやったことは、通信講座の講義を聞くというインプット作業です。
自宅で、スマホで、ある程度理解できている部分は倍速で、ということをやりました。この時に初めて、自分にそれなりに予備知識があることに気付きました。半分くらいの講義は倍速でいけました。
金融機関に勤務し継続的な勉強を実施し、10年以上経っていたから予備知識が備わっていたのだと思います。ここがポイントです。地頭うんぬんではなく、予備知識のあるなしで、大幅に時間短縮が可能です。
経営に関する幅広い知識を問う試験ですので、社会人経験が長いほど自然と予備知識は付いていると思います(当然社会人として日々勉強をしているかどうかは重要です)。
通信講座でのインプット作業は50時間くらいでした。あとは、徹底的に過去問をやりました。
当然、50時間のインプットでは、全然できません。最初は20点代、30点代が当たり前です。ただ、限られた時間の中では徹底的にアウトプットをするという作業が大事です。分からない問題はその場で理解し次へ、の繰り返しです。
私は経営情報システムが苦手だったので、別途テキストを購入し、インプット時間を増やしました。
また、中小企業経営・政策は、経済白書を覚えるという作業が必要なのですが、量が膨大なので諦め、こちらもテキストを別途購入し、それのみをインプットしました。おそらく経済白書を一切見ずに試験に臨んだのは、私だけではないかと思います(笑)。
過去問5年分程度が平均70~80点取れるようになれば、合格です。なお、中小企業経営・政策は問題のパターンを見た程度で過去問は一切やっていません。
「もしかしたら受かるかも?」と思い、2か月で超効率的に徹底的に無駄を省いた結果、上記のような勉強方法となりました。合格率も高い年であったこともあり、無事合格できました。
勉強時間は、
- 経済学・経済政策…30時間
- 財務・会計…30時間
- 企業経営理論…40時間
- 運営管理…40時間
- 経営情報システム…30時間
- 経営法務…20時間
- 中小企業経営・政策…10時間(もやってないかもしれません)
という感じです。どうでしょう?これくらいならできる気がしませんか?
この私の実体験をもとに、効率的な勉強方法をご提案します。
3.1次試験の効率的な勉強方法 提案編
1.1か月100時間の勉強を目安にし、3~5か月程度の短期集中とする
個人的な意見ですが、1年間で1,000時間勉強しても、前半の300時間程度は覚えてません(多分)。受かることが目的なら短期集中の方が効率的です。
2.総勉強時間の3分の1程度をインプットの時間とする
インプットは、具体的には講義を聴く・テキストを見る・ノートを作る、という作業です。充実感があるので長くやりがちですが、最大でも全体の3分の1までに留めること。だらだらしないために、制約を付けるのが大事です。
3.アウトプットは徹底的に過去問を解くこと
過去問以外やる必要はありません。とにかく過去問です。時間が許す限り、5~7年分を1周・2周と繰り返していきましょう。なお、中小企業経営・政策は過去問をやる必要はありません。問題の出され方だけ見ておきましょう。
4.捨てる問題を見極めること
過去問をやっていると、とんでもない難問にぶつかります。この試験は100点を目指す試験ではないです。70点取れれば高得点です。ある程度捨てる基準を見極めながら追いかけすぎないようにしましょう。
ちなみに私は、英語の問題・仕訳・マニアックな法律・マニアックなIT知識などは捨てました。
以上4点です。ぜひチャレンジしてみましょう!
4.まとめ
以上です。まずは過去問を覗いてみることで、最初のハードル突破です。
全く分からない科目もあれば、少し分かりそうな科目もあると思います。
過去問は無料で手に入れることができます → https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html
何事も、まず行動に移すことが最重要です。
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