令和2年度 中小企業診断士試験 2次試験 合格者の再現答案 事例Ⅱ
中小企業診断士試験の2次試験、再現答案です。今回は事例Ⅱです。
私は、令和2年度の2次試験を
- 事例Ⅰ 75点
- 事例Ⅱ 67点
- 事例Ⅲ 68点
- 事例Ⅳ 67点
- 計 277点
で合格しております。
独学で合格しました。勉強している時に、最も欲しかった情報の1つが、「合格者のリアルな答案」でした。
今回は67点答案と、「合格ラインの目安」としては抜群の内容だと思います(笑)。
こちらも、YouTube動画で詳しく解説してます。
受験生の皆様のお役に立てれば幸いです。
中小企業診断士試験にご興味のある方は「まとめ記事」を参考にしてください
目次
第1問
【解答】
S:無農薬で高品質のハーブの効率的な栽培方法と、自社工場・オンラインサイトを持つこと。
W:ハーブと島の知名度が低いこと、Z社への依存度が高いこと、商品開発力が弱いこと。
O:ヘルスケアに関心の高い30~40代の女性層の支持がある事、他企業の引き合いがあること。
T:Z社製品があと2~3年で製造中止となること、X島の活力が低下していること。
事例ⅡのSWOT分析は、それ以降の設問で答えることと整合性が取れていることが重要です。
つまり、オンラインサイトを活用して販路を拡大するという戦略を取るため、既に稼働しているオンラインサイトがあることを強みとしてます。
また、打ち消すべき弱みとして、1社依存から脱却すること、双方向コミュニケーションを活用し商品開発に活かすこと、という戦略を取るため、それぞれを弱みとしました。
多くの方が「弱み」としてた「輸送コスト」については、既に自社工場を持つことである程度解消しており、解決すべき優先度は低いと判断し、私は入れませんでした。
機会も同様、今後に活かせるものを選んでます。既に既存市場として30~40代の女性層から支持を得ていること、Z社以外の企業からも引き合いがあること、これらを機会として弱みを打ち消す戦略を考えました。
乗り越えるべき脅威は、Z社依存・X島の活力低下としました。X島の知名度向上や活性化が、地元を背負う当社の大きな課題であると考え、これらを書きました。
過去問を解いてみると分かりますが、「問1」は自身の回答の方向性(戦略の方向性)を示すものであるため、戦略を決めてからそれにマッチするものを選んで書く、という作業が重要なのだと思います。
第2問
【解答】20歳代後半~50歳代の大都市圏在住の女性客に対し、Z社以外の引き合いが来ている会社を通じた販売と、自社ブランドによるオンラインサイトでの販売という構成にし、特定取引先への依存から脱却しリスク分散を図る。
配点30点問題です。配点には注意しましょう。この問題が最も気合を入れるべき問題です。
問題文の制約条件は、「Z社の製品とは異なるターゲット層を獲得」と書いてあるので、「獲得すべきターゲット」と「獲得方法」は絶対に書かなければなりません。
また、「B社の今後の望ましい取引構成についての方向性」を問われているので、それも書かなければなりません。
100字という文字制限でこれらの制約条件を満たすと、書ける内容が限られます。
よって、「制約条件をしっかりと満たせた解答」は最低でも20点くらいは取れたと思います。
きちんと問題文を理解しているかどうかで、大きく差が出る問題ですね。
「Z社とは違うターゲットを書き、どのように販売をし、どのような効果が得られるのか」を書く、典型的な「誰に・何を・どうやって・効果」を問う問題です。
第3問 設問1
【解答】新商品を30~40歳代女性の既存市場へ投入する新商品開発戦略と、一部新規顧客も含む多角化戦略で売上伸長。
この問題は「10点問題」と判断し、「キーワード」さえ入っていればある程度点数がもらえる、と割り切りました。
既存市場は30~40歳代女性であるが、20歳代後半~50歳代の大都市圏在住の女性層に対し売れているので、既存市場とは違う「一部新規顧客」にも進出したと判断し、「新商品開発戦略」「多角化戦略」の両方を採用したと判断しました。その結果売上が伸びた、という「結果」にまで触れることが重要だと思います。
第3問 設問2
【解答】BBS等の双方向コミュニケーションを生かし、顧客にハーブの用途を問い新商品を作る、そのサンプルを送り感想を記入してもらう、という施策により潜在顧客ニーズを発掘し新商品を開発し、顧客関係性強化を図る。
ちょっとごちゃごちゃしてますね。
顧客を「オンラインで」「どのように製品づくりに巻き込むか」が制約条件です。顧客の関与が高まった結果「顧客関係性強化に繋がる」という効果にまで触れました。
「コミュニケーション施策」を書くことも制約条件です。
この施策を、サンプルの送付とした点が、弱かったのかもしれません。また、「潜在顧客ニーズの発掘」は書く必要がないかもしれません。過去問に引っ張られましたね。
第4問
【解答】提案はハーブの栽培・収穫プログラムである。具体的には、ハーブを植える体験、途中の美しいコントラストの動画配信、収穫し料理・飲料として体験するサービスで、島に来る回数増加も図りながら、B社の愛顧も高める。
無難にまとめました。その分大きな加点はないと思います。
制約条件「観光以外でのプログラム」、目的として「X島のファンを作ること」、対象は「自社オンラインサイトのユーザー」です。
私は、このプログラムを通じて「X島のファン」を作る事と、「ヘビーユーザー」を作る事を目的としました。おそらくですが、「サイトのユーザー」を「ライトユーザー」と読み違えたのだと思います(笑)。
だから「来島回数増加」を図ることとしてます。
正直この手の問題は具体策は何でもいいと思います(制約条件さえ外してなければ)。
まぁ、無難にまとめたという感じです。
以上で67点です。
どうでしょう?いけそうですよね。
重要なのは、答案に一貫性があること、です。一気読みして、違和感なく読める答案作りを、勉強段階から意識してました。