住宅ローン 全ての疑問に答えます③ 実際の申込手順、注意すべき点、実務の流れなど

ぷんちゃん

これまで、「持ち家と賃貸」「固定金利か変動金利か」「銀行選び」

についての話でした。

今回は、住宅ローンシリーズ最終、申込手順・実務の流れ・専門用語について・その他役に立つ情報などを発信していきます。

今後も、単発で住宅ローンに触れることはあると思いますが、このシリーズを一通り見れば住宅ローンのことが分かるような作りになってます。

ぜひ参考にして下さい。

1.いくら借りるべきか?

 まず、そもそもいくら借りるべきかという問題があると思います。

 よく「最低頭金は300万円は準備しておくべきだ」という言葉や、

 ローン自体にも「自己資金2割入れれば、金利が0.2%低くなります」という文言があります。

 結論は、「借りられるだけ借りるべき」です。

 理由は以下の通りです。

 

借りられるだけ借りるべき理由

  1. 金利が安いため、借りられるだけ借りて、自己資金は別で運用する方がメリットがあるため
  2. 住宅ローンの審査に通過しやすいというのは、銀行都合であるため

 具体例をあげて説明していきます。

前提条件

  • 物件の価格3,500万円とする
  • その他諸経費300万円とする
  • 使える自己資金500万円あるとする
  • 住宅ローンの金利0.5%とする
  • ローンの返済期間35年とする

 以上の条件であれば、住宅ローンは

住宅ローンのパターン

  1. 自己資金500万円を使い、3,300万円を借入する
  2. 自己資金500万円は使わず、3,800万円借入をする

 この条件ですシミュレーションをすると(シミュレーションできるサイトはたくさんあります 例→こちら(住宅保証機構HP))

 1の場合は、毎月85,663円、35年で35,978,460円となります。

 2の場合は、毎月98,642円、35年で41,429,640円となります。

 総支払額の差額は5,451,180円です。もともと2の方が500万円多く借りているので、

 余分に支払う金利の差額は451,180円です。

 つまり、35年で500万円が生み出すメリットが約45万円ということです。

 ここで、「500万円を35年間運用したらどうなるのか」ということを考えましょう。

 運用条件は

運用条件

  1. 税引き後利回り3% 1年複利 35年
  2. 税引き後利回り5% 1年複利 35年

 表面利回りは1-税率で割って下さい。税率20%なら、3%÷0.8=3.75%の表面利回りです。

 十分現実的な数字ですね。

 この場合シミュレーションをすると(シミュレーションサイト 例→ こちら(カシオコンピューターHP))

 1の場合は14,069,312円になり、約900万円増えます。

 2の場合は27,580,077円となり、なんと約2,200万円も増えます。

 つまり、安く借りられるので、借りられるだけ借りて、余っている資金は運用しましょうという結論となります。

 もう1つの理由である「銀行都合であるため」という点ですが、

 まずは銀行員は住宅ローンを通したいので、通しやすくするために自己資金を入れるように言ってきます。

 また、たちが悪いことに、金融リテラシーの低い行員が本当に善意で自己資金を入れることを勧めてくることもあります。

 「借り入れは少ない方がいいですよ。」「その方が金利が安く済みますよ。」という具合にですね。

 むしろ、こういう行員の方が多いと思います。

 これは、日本の教育の弊害で、金融リテラシー・マネーリテラシーが著しく欠如しているからですね。

 余談ですが、預金をしているだけでは、どんどんお金は減っていきます。という意味が分からない行員が多いと思います。

 「わずかでも金利が付くし」という理論ですね。

 世界の貨幣総量、世界成長率、物価上昇率、人口増加、など経済に及ぼす影響を経済学の入門編で学んでおけば、このような言葉は出ないはずです。

 上昇率が分かれば、貨幣の現在価値や将来価値は簡単に計算できるので、預金しておくとものすごくお金が減っていくということが分かります。

 中小企業診断士試験では、「経済学」や「NPV」なども学びます。ぜひリテラシーを身に付けるために勉強することをお勧めします。

 よく、「簿記」や「FP」を受けましょうと最近は言われてますが、「中小企業診断士」は完全上位互換の資格です。余裕のある人はぜひ。

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2.いざ、申込!知っておくべき知識は?

 では、いよいよ仮申込です。

 その前に抑えておくべき知識を紹介しておきます。

住宅ローン仮申込にあたり抑えておくべき知識一覧

  • そもそも物件価格を超えて借入ができるのか
  • 団体信用生命保険(団信)
  • 勤続年数
  • 個人信用情報
  • 返済比率
  • 担保評価

 項目が多いですが、これだけ抑えておけば大丈夫です。

 では、実際にSBIの住宅ローンを基準に見ていきます。

 まず前章で「物件+諸経費」で、借りられるだけ借りましょうとお伝えしましたが、それが可能なのかどうかです。

 結論は可能です。ただし、金利が若干上がる可能性があります。

 それでも0.2%程度です。0.41%が最低金利だとすれば、0.61%になるだけです。

 前章でもお伝えした通り、0.2%のために貴重な資金は入れずに、3%以上で運用する方が良いですよね。

 次に、団信です。

 団信とは万が一、債務者が死亡した場合、保険金でローンが完済できるというものです。

 基本的には強制加入になっており、実は住宅ローンの金利は大半がこの団信の保険料です。

 この保険に入れるというだけで、住宅ローンを組むメリットがあるとも言えます。

 最近は、死亡保険のみではなく、3大疾病・8大疾病付などのものもあるので、よくチェックしましょう。

 SBIでは金利上乗せなしで「全疾病保障付」となってます。銀行によっては、金利が上乗せになるケースもあるので、よく確認しましょう。

 仮申込をWEBで入力していきますが、その際に注意すべき点がいくつかあります。

 勤務年数・個人信用情報・返済比率です。

 これらは、問答無用で否決となる場合があります。

 例えば、短すぎる勤続年数です。これは銀行ごとに基準が変わると思いますが、3年は欲しいところです。

 次に個人信用情報(いわゆる個信)です。

 過去にカードの支払で延滞がある、カードローンを利用している、借入が多いなど、情報は全て調べます。

 延滞があるとまず審査は通らないです。そして、借入が多いと否決になる可能性が高まります。これは、次の返済比率で説明します。

 返済比率とは、借入の年間返済額 ÷ 年収 で考えます。

 例えば年間返済額120万円、年収500万円なら、

 120÷500=24%となります。

 年収により何%以内なら良いというのは変わりますが、30%以内と考えてもらえればほぼ大丈夫です。

 ここで、住宅ローンが月10万円で組みたいのに、他でマイカーローンで月3万円、カードローンで月2万円となると、

 180÷500=36%となり、基準を超えてしまいます。

 ですので、他の借入は返済しないといけないということです。

 他のローンが一切ない状態で申し込みをするのがベストですね。

 よく、「いくら借りられる?」という質問を受けましたが、これもシミュレーションでよいと思います。

 シミュレーション 例 → こちら (自分銀行HP)

 このサイトでも分かるように、他の借入の有無で大きく変わります

 最後に、これらの基準は問題なくクリアーしていたのに、否決になるケースとしては、

 「あまりに市場価格とかけ離れた物件」です。

 売買というのは当人同士の合意で成立しますが、銀行は担保評価を出します。

 担保評価とあまりにもかけ離れていると、銀行はリスクが高くなるので、否決とする可能性があります。

 滅多にないケースですが、たまに見かけました。

 

3.仮申込通過 → 実行までの流れ

 仮申込が通過すれば、本申込となります。

 ここで、詳細に金額等を詰めていくので、仮申込の段階ではおおよその費用を上乗せして申込をし、本申込で調整しましょう。

 おおよそどのような費用が掛かるのか抑えておきましょう。

 

代表的な諸費用の一覧

  • 金融機関事務手数料
  • 保証料
  • 不動産会社仲介手数料
  • 登記費用(所有権移転、抵当権設定)
  • 火災保険

 以上です。

 これらをしっかり抑えておけば、後から「こんなに掛かると思ってなかった」ということは無くなると思います。

 意外と「諸経費」の見積もりが甘く、直前でバタバタしてしまうケースがあるので、これらはしっかり抑えておきましょう。

 例えば、SBIだと事務手数料として融資額の2.2%が掛かります。5,000万円なら110万円ですね。

 保証料というのは、「保証会社」を利用する時に掛かるものです。SBIではかかりませんが、銀行によってはかかります。

 仲介手数料は売買額の3%程度と思っておけば大丈夫です。

 登記費用も登録免許税の計算方法は調べれば分かりますが、概算で上乗せしておき、あとで銀行側が見積書をくれるので、そこで調整すれば大丈夫です。

 そして、印鑑証明書・所得証明書・住民票など準備し、本申込完了です。

 また、他にも色々と送付する書類がありますが、ほとんどは不動産会社からもらう書類で揃ってます。

 売買契約書、重要事項説明書、謄本、公図などですね。分からないときは不動産会社に聞きましょう。

 用意する書類が多いため、複雑と思われがちですが、1つ1つはそれほど難しくありません。

 銀行に提出する契約書は、金銭消費貸借契約(お金を借りる契約書)、抵当権設定契約書(物件に担保を付ける契約書)、登記原因証明情報(物件の所有権を持ちます・担保を付けますなど、法務局へ提出)、などです。あとは個別の特約書などがある可能性があります。

 ここまでくれば、あとは売買当日を待つのみです。

 当日は、融資金が銀行から振込まれてくるので、それを売買代金や諸経費に充てていき、司法書士に登記をお願いして完了です。

 基本的には、不動産会社や、銀行、司法書士がサポートしてくれます。

重要なポイント!

分からないことは、全部聞きましょう。関係者全員結構なお金が絡むので、契約成立のために丁寧に教えてくれます。

 

4.その他

 その他、疑問点になりそうなこと・役に立ちそうな情報をまとめます。

疑問点・お役立ち情報

  • 仮申込から実行まで、最低3か月程度はみておきましょう
  • 土地を購入後、建物を新築するなどの場合
  • 共働きの場合

 1つずつお話しします。

 まず、欲しい物件が見つかり、仮申込をしてから、実行に至るまでは3か月くらいで考えておきましょう。

 私は知識もあり、段取りも自分でどんどん考えて提案したので、全てを1か月で終わらせましたが、まれです。

 3か月以上かかるという認識でいましょう。

 次に、土地を先に買って、次に建物を建てる場合です。

 全て、最後に一括払いなら問題ないですが、なかなかそのようなケースはないです。

 まず土地の代金を払い、建物は着手金・中間金・最終と別れたりします。

 この場合、ネット銀行でやるのは難しいかもしれません。

 つなぎ資金、資金管理、など複雑になるからです。

 このような場合は、対面の住宅ローンの方がいいと思います。

 そもそもネット銀行だとこのような形ではできないケースが多いです。

 最後に共働きの場合、持ち分を共有にし、それぞれが債務を負う(例:夫3,000万円、妻2,000万円)ことで、住宅ローン控除を二人で受けられます。

 その分手間は2倍です。手間はかかりますが、もし仮に夫婦で控除期間まるまる満額で控除が受けられれば、物凄いメリットとなります。

 高額物件を購入する場合は、検討の価値十分にありです。

5.まとめ

ぷんちゃん
  • 住宅ローンは物件+諸経費で借りれるだけ借りよう
  • 自己資金は運用に回そう
  • 仮申込前に、返済比率など重要な点を抑えておこう
  • 代表的な諸経費を抑えておこう
  • 多くの書類と手間がかかるが、1つ1つは難しくない
  • 分からないことは全部関係者に聞いてみよう

 以上がまとめとなります。

 全3回にわたる住宅ローンシリーズも一旦終了です。

 今後は、付け加えたいことがあれば単発的に記事にしていきます。

【参考】YouTube動画

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