中小企業診断士一次試験 中小企業経営・政策について
今回は、中小企業診断士試験の一次試験7科目のうちの1つ、「中小企業経営・中小企業政策」について、解説していきます。
結論から言うと、この科目は直前期の暗記でどうにかなる科目です。
あくまで、試験に合格するという目的であれば、それほど難しい科目ではありません。
しかし、書いてあることは非常に重要です。
資格を取ったあと、中小企業診断士として生きていく方は、この科目に書いてある「日本の中小企業の課題」をしっかりと認識しておきましょう。
他の本紹介にご興味のある方は「まとめ記事」を参考にしてください
目次
1.科目の概要について
中小企業経営・政策は、2日目の最後に実施されます。
企業経営理論、運営管理と同様、90分の試験であり1問2~3点の約40問で構成されてます。
広く浅く出題(実際はそれほど広くない)されるので、点数は狙いやすい科目です。
問題の出され方もシンプルであり、完全に暗記勝負です。
暗記量勝負が通じる科目であり、7科目平均60点以上を取る1次試験においては、「平均点を底上げできる科目」として、戦略的に活用していくべきと思います。
勉強時間も、全部で10としたらこの科目に対しては0.5でも大丈夫なくらいです。
勝手な想像ですが、この科目は「今後中小企業診断士として生きていくなら、日本の中小企業の現状を知った上で、日本国が取っている政策をしっかり理解して下さいね。そしてぜひ課題解決に向けて頑張ってくださいね。」というメッセージだと思ってます。
勉強法の紹介の前に、まずは難易度(合格率の推移)を見てみましょう。
R1年の合格率が低くなっていますが、高い合格率で安定していると言えます。
ちなみに、私は令和元年度の受験でしたが、それほど難しいという印象はありませんでした。
というのも、私は8月2日・3日が1次試験だったのですが、この科目に着手したのは7月半ばです。
買い物履歴が残っていたのですが、7/14にTACのスピードテキストを購入してます。
そして、このテキスト(240ページ程度)しか取り組んでいません。
勉強時間はおそらく10時間もかけていないと思います。
この科目については、通信講座の講義も過去問も一切利用しませんでした。
それで、合格率の低い年度の試験でも63点取れたので、この科目を得点源としてある程度の時間をかければ、平均点の底上げに使えると思います。
とにかく、効率的に勉強するため、「テキスト」などの既にまとめられた教材を丸暗記する勉強法をおすすめします。
2.中小企業経営
この科目は、名前の通り「中小企業経営」と「中小企業政策」の2つに分けられ、それぞれから半分ずつ出題されます。
まず「中小企業経営」についてです。
これは、中小企業白書と小規模企業白書から出題されます。
そして、白書の量は膨大です。
正直覚えられません。
なので、既に「試験に出そうなところ」をまとめてくれている「テキスト」などの教材を丸暗記します。
私は一切白書を見ずに試験を受けました。
どのようなことが書いてあるのかを紹介しておきます。
などです。
更に要約をすると、「日本は99.7%が中小企業であり、その多くが生産性に問題を抱えている。労働力では女性と高齢者の活躍が求められ、IT活用にはまだまだ課題がある。また後継者不足の問題も深刻であり、M&A等の拡大が課題である」という感じです。
試験では、これらの「数値」などを覚えることが多いですが、割り切って暗記するしかありません。
一方で、「中小企業の経営面」ではこのような課題があるんだと、深く認識しておくことが必要ですね。
独立診断士になる方々は、こうした課題の解決に取り組んでいくのです。
3.中小企業政策
次に「中小企業政策」です。
まず、中小企業基本法・小規模基本法は、丸暗記しましょう。
これらの法律に基づいて、いろいろな施策が出てます。
例えば、起業を増やすために、創業への支援が作られてたりします。
また、セーフティーネットを整備したりします。
その他に、どのようなことが出題されるかを簡単にまとめます。
などです。
実は、かなり金融機関勤務の人は有利です。
私は、大体のことを知ってました。
これも、とにかく暗記あるのみです。
一方、実務をおこなっていく上では、この政策の部分は非常に重要になります。
4.まとめ
試験に関するまとめは、「とにかくテキストなどを暗記するのみ」「戦略上、平均点の底上げに使える科目である」ということです。
この科目は試験の点数以上に、「日本の中小企業(に限らず国全体)の課題」「どのような支援策があるのか」を認識し、中小企業診断士としての実務に生かしていくことが求められていると思います。
あまり言う人がいないので、ストレートに言いますが、客観的なデータのみが書かれている白書を読むと、日本の将来に対する絶望感が湧いてきます。
今すぐ誰でもできることは「生産性を上げること」です。
一人ひとりが生み出す付加価値を増加させること、時間短縮を図ること、こういったことを認識できる科目です。